ADのお仕事

ADはゴールではありません。ADを長く続けるために、必要なことって?

 

いま現在、「ADになりたい」と就活や転職活動をしている人にお伺いします。

「ADになったとして、3年後・4年後・5年後はどうなっていたいですか?」

この質問に対して、しっかり未来が見えている人は大丈夫です。きっと長く続けられると思います。でも、「3、4年後もADでばりばりやってたいなぁ」と思っている人。ちょっとストップ!

はっきり言います。「5年目もADばりばりやってます」って、それ業界的には仕事できない人です。業界についてちゃんと調べていればそうなることはないと思うのですが、ADになることがゴールになっていませんか?

それだと多分続かない。明確な目標なしにダラダラと続けられるほど優しい仕事ではありません。ADというのは、あくまでも通過点それを強く意識しておきましょう。そこで今回は、ADの先にある、3つの進路をご紹介しようと思うので、ぜひ参考にしてみてください。

ADから目指せる進路① D / ディレクター

ADが次に目指すステップとしていちばんに挙げられるのが、ディレクターです。AD、つまりアシスタントディレクターはそもそもディレクターになるための修行期間な訳です。

 

ディレクターのメインのお仕事は、現場のディレクションと撮影したものを番組の形に繋いでいく編集作業。現場のディレクションについては、これまでの記事でも触れました。

一体どう違うの? プロデューサーとディレクターの違い今回ご紹介するのは、「プロデューサー」と「ディレクター」の違い。テレビ業界界隈で働くとその違いは自ずとわかるのですが、私も業界に入るまで...

 

大きく分けると2つの仕事があります。

ひとつは、撮影中のすべての指揮官でありという立場。現場での進行、カメラ位置や出演者の立ち位置、どのタイミングでどんな小物を使うかなどの決定など。また時には自らカメラを回すこともあります。

もうひとつは編集作業。撮った映像を繋いで放送できる形に繋いでいく。つまり番組の内容を作る作業です。撮ってきた映像資料の編集だけでなく、テロップの文言やデザインからナレーションまですべてを考えます。

ADのときは、ディレクターが使いたい映像や言葉に、誤った情報が含まれていないかを調べたり、資料やロケ場所の使用について許諾を取ったりフォローやサポートがメインですが、それのもう一歩先に進み、番組全体を見て動くことになるのです。

またディレクターになれば、フリーランスとして色々な局に出入りする人がいたり、リモート作業で常に出社しなくて良かったりと、ADよりも働き方も柔軟になりようです。

番組の方向性などを決めて、自分でやりたい内容が作れる。その分、色々と言われたり、最初は怒られたりと凹むこともあるかと思いますが、自分が作った番組を世に発信したい!という強い思いがある人なら、ぜひともディレクターを目指してみてほしいです。

 

ADが目指せる進路② AP / アシスタントプロデューサー

ディレクターよりももっと上にいきたい!もしくは、ディレクション的なところではなく全体的な統括や出演者周りの仕事がやりたい!という人は、その次のアシスタントプロデューサー= APへ。

APは番組の予算管理に加え、出演者のアポ取りや出演費の交渉、当日の出演者ケアなど、主に番組の中でも出演者との橋渡し的な役割を担います。

先ほど、ディレクターが使いたい情報をADが調べあげるとお話しましたが、番組によってはAPもその情報が間違っていないか最終チェックをすることもあります(この裏取り的なことを危機管理チェックと言ったりします)。

あらゆる面で、細かなところまでの気遣いや気づきが大切になるお仕事。なので、大雑把な人よりは、なんでも細かく気づける人の方が向いているかもしれません。でも大雑把な人の方がストレスが溜まりにくいかも…(笑)。

ディレクターを経験してからAPになる人が多い中で、最近ではADからそのままAPになる人もいます。

ADが目指せる進路③ P / プロデューサー

そして、最後にプロデューサー。総監督です。

番組の方向性を決定したり、ディレクターやADが見つけてきたネタなどを総合的に判断してロケのGOを出したり、もちろん出演者のケアもしつつ、スタッフのこともよく見てくれています。正直撮影中にはそれほど出番はありませんが、ここぞという時に頼れる存在です。

何かあった時には責任も負う立場。APさんまでは20代など若い方もいますが、プロデューサーとなると、さすがにそれ相応の経験をされてきた方が多い印象です。これは私の肌感ですが、プロデューサーにはフリーランスよりもテレビ局や制作会社に所属している人が多いような印象でした。

いかがでしたでしょうか?

これまであまり将来を考えたことがなかったという人も、この記事を読んで少し未来が想像できていたら嬉しいです。目標があると、きつい日々のモチベーションにもなりますよ!

 

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kicchan
元番組ADのフリーランス 旅とお洒落がすき。