生まれも育ちも関東の人はあまりこういう壁にぶつからないと思うのですが、上京した者が地元に帰省した際のあるあるとして、家族や親戚一同に、「結婚」や「仕事」についてとやかく言われることがあがると思います。
特にアラサーの女性陣。
そして正社員ではない働き方をしている人。
東京にいれば、恋愛なんかそっちのけで自分が好きなことに没頭している人も、正社員ではなくフリーランスなど自由な働き方・生き方をしている人もゴロゴロいます。少なくとも、ちょっと「普通」の斜め半歩先や半歩後ろを歩いていたって表立って指を指されることはないはず。
けれど田舎に行けば行くほど、「人とちょっと普通とは違う」生き方は、いまだに理解や共感を得られにくいのです。
久しぶりの帰省で食らった言葉。
ここ数年タイミングが合わずに年末年始に帰省していなかったおかげで、祖父母にはしばらく会っていなかった。
それまで日本国内にいたにもかかわらず会っていなかったくせに、3ヶ月のマルタを前に「もしかしたら最後かもしれない」という気持ちになり(病弱というわけではない。ただ人生いつ何が起こるかわからないので)、今回の帰省では久しぶりに祖父母に顔を見せに行くことに。
最初こそ久しぶりに見る孫の顔に喜んでくれていたように感じたし、私自身も元気そうな様子を見れてほっとした。けれど話しているうちにだんだん雲行きは怪しくなり…とうとう出てきた言葉がこれ。
「あんたそろそろ結婚は?」
「仕事何しよんね?ちゃんとした会社で正社員せんのね?」
おばあちゃん、おじいちゃん、それ禁句だから。
真っ向から私の生き方に対して批判してくるような祖父母たちではないとは思っていたし、ある程度こういう言葉を言われることはあらかじめ覚悟はしていた。実際言葉通りそんなにきつい言い方をされたわけではない。けれどいざ言われてみると、かなりイラッとしてしまうものだと感じた。
「王道」が正解なんて、誰が決めた?
確かにアラサーではあるし、周りも結婚ラッシュを迎え自分自身意識していないといえば嘘になる。だけれど、
結婚することだけが女の生き方なのだろうか?
そもそもそれは人に言われて焦ってするものなのだろうか?
正社員として働くことはそんなに正しい生き方なのだろうか?
好きな仕事を選んで自分が働きやすい生き方をする、人とは少し違う生き方って恥ずかしいのだろうか?
(もちろん、結婚して子育てしている女性はすごいと思うし、正社員で働いている人がおかしいなんてことを言いたいわけではない)
恋愛ができない体質であることも、空気が読めずに浮いてしまう体質も、自分が1番よくわかっている。だけど自分ではどうしようもできないからこそ、少しくらい人並みにできたらいいのにと思いながら、自分の中で大きなコンプレックスになっている。
そこを1番理解して欲しい人たちに突かれるのって、やっぱり悲しい。でも胸張って言い返せるほどの実績もまだ出せていないのは自分だから。へらっと笑って、「そんな考えもう古いから〜」なんて軽く、だけどしっかりと流してやりすごした。
幼稚なのは自分ってことも承知だ。
あんまり言ってはこないけれど、実は親だってきっと今の私の生き方には不安を感じているのだろう。さりげなく探ってこようとする感じもまた私をイラッとさせる。
本当は親と仲が良い周りの友人たちのように、「今こんなことをしててね」「聞いて!こんなことがあったよ!」なんて親に話したり、一緒に悩んでもらったりしたいなんて思うこともある。
でもさっきのように「地元あるある」な思想をぶつけられるとどうも反抗心ばかり出てきて、もう何にも話すもんかとだんまりを決め込んでしまう。我ながらいつまで経っても子どもだ。そう思いつつ素直になれないのは、学生時代から「親に話す」ことをしてこなかったせいで面と向かって向き合うのが苦手だからだ。
地元に素直な気持ちで帰りたい。
帰省というと、本来ならば心休まるものなのだろう。でも私にとってはそこそこの心の強さと緊張感がいる行為だ。今回も素直になれない自分にイライラするのだろうか、また気を遣ったり遣わせたりするんだろうか。そういうことをいちいち考えてしまう。
ちょっと話がそれが気もするけれど、結局は地元あるあるの最初の言葉が、予想以上に堪えているということ。おかげで今週はずっと心の中がぐるぐるしそうです。いつかもっと堂々と、スガスガとした気持ちで帰省できる時はくるんだろうか。くればいいな。